人気ブログランキング | 話題のタグを見る

シンプルライフと日和やの本棚

ihoyiray.exblog.jp
ブログトップ
2015年 06月 29日

チョマノモリと「大地の芸術祭 2015」「大地の芸術祭 2000」

この夏7月26日から、新潟県十日町市・津南町で開催される越後妻有大地の芸術祭は、
今回で6回目を数えます。

こちらはその公式ガイドブック。



里山の記憶、旅の思い出
(宮澤賢治「休息」「春と修羅第一集」より抜粋)
ぶりき細工のとんぼが飛び
雨はぱちぱちなつてゐる

からだを草に投げだせば
雲には白いとこも黒いとこもあって
みんなぎらぎら湧いてゐる

帽子をとつて投げつければ
黒いきのこしやつぽ

ふんぞりかへれば
あたまはどての向ふに行く

雲はみんなむしられて
青ぞらは巨きな網の目になつた
それが底びかりする鉱物板だ

ガイドブックを開くと最初にこの詩が飛び込んできて、
「ああ、いいなぁ」なんて思って、誰が書いたのかなと、
よくよく見ると、宮澤賢治の詩でした。

これまでに体験てきた芸術祭の作品をふっと思い出し、
今回はどんな体験をさせてくれるのかしら、と期待感が膨らみます。

チョマノモリと「大地の芸術祭 2015」「大地の芸術祭 2000」_c0345411_23050653.jpg
2000年のガイドブック、パスポートはなかった


2000年に始まった大地の芸術祭は、
十日町に移り住んで4年、ハチが3歳の時から3年ごとに楽しんできました。

回を重ねるごとに、妻有の景色が変わり、活況になっていく様子を見てきました。
これまでに見てきた作品で強烈に印象に残っているものをいくつか。



2000年 マウンテンパーク津南周辺に点在した2作品。本間純「森」~ガレージに長さの違う鉛筆が見事に屹立~時間ってなんだ。景山健「HERE-UPONここにおいて」~緑の草むらかと思いきやすべて割り箸~存外きれいだ、もとは木だった。松之山のアリーナ・アブラモヴィッチ「夢の家」~夢をみることが作品になるなんて、部屋の色で見る夢も変わりそうだ。逢坂卓郎「月光を捕えるプロジェクト」~松之山の山奥の棚田に巨大な鏡を置き満月の日にその光を映そうというもの。3歳の半分寝ているハチをつれて夜の山道を走った。8月のお盆の頃、100人近くはいたか。ひたすた月の出を暗闇で待つ体験は滅多にできるものでなく、でも面白い。結果いくつかの鏡にほの白い光を発見し、歓声を上げた。タデウス・ミウロウスキー「無題」~松代町の農舞台(2003)がある広場にジャングルジムのごとき金属の格子にろうそくが数百、数千灯された作品。格子状の中を迷路のように歩くことができた。ろうが垂れてきてスリリング。川西町、ジェームス・タレル「光の館」~静謐な日本家屋。和室の屋根が開き畳の上に横になって空を眺められる。空は見飽きず。お風呂が暗闇でブルーの光が細く走る。湯につかると不思議な感覚になりそう、宿泊できる。
(2003年以降は別の機会に、思いのほか長くなりそうなので)


2012年夢が本になりました


チョマノモリと「大地の芸術祭 2015」「大地の芸術祭 2000」_c0345411_21093149.jpg
いつも通りかかるできたばかりの公園で作品作りをしている現場に遭遇。
写真を撮らせてもらおうと声をかけ、ちょっとお手伝い。


チョマノモリと「大地の芸術祭 2015」「大地の芸術祭 2000」_c0345411_21100336.jpg
十日町市内のキナーレ近くの南側の公園。
浅井裕介さんの「チョマノモリ」。
チョマは苧麻、麻になる草。
一応越後上布を織っていたこともあるので、タイトルにも惹かれました。

チョマノモリと「大地の芸術祭 2015」「大地の芸術祭 2000」_c0345411_21104051.jpg
道路用の白線素材で絵を描き、地面に焼き付けて作る作品。
白線素材が幅60センチほどのロールになっているのをハサミで切ります。
思ったより柔らかい。
ガラズの粒が表面にすべり止めとしてくっついています。

チョマノモリと「大地の芸術祭 2015」「大地の芸術祭 2000」_c0345411_21112186.jpg
この日は4名で制作していました。公園わきの道路にも描くのだとか。
楽しみです。


#842 ときどき通りかかる人が声をかけて制作中の人たちと会話しています





by hiyoriya1410 | 2015-06-29 22:54 | 見 たものあれこれ | Comments(0)


<< MARUNAO(マルナオ)の箸...      十日町市博物館と「日本の霊性」 >>