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2015年 12月 20日

『風雲児たち』という大河ドラマ

2015年のNHKの大河ドラマ「花燃ゆ」終わりましたね。
3部構成、吉田松陰の妹が主人公は、ちょっと無理があった印象。
「八重の桜」もですが、女性主人公は難しいような気がします。

近年の大河ドラマは、戦国時代か幕末か、
すっかりこのパターンが繰り返されているようです。
来年は「真田丸」、三谷幸喜脚本で「新撰組!」以来の大河ドラマです。

「平清盛」とか好きでしたが、人気はなかったですね。
時代が下るほど資料は少ないわけですし、
時代背景、生活様式など、現代とかけ離れているようで、
登場人物に感情移入しにくいのでしょうか。

それにくらべて、戦国~江戸~幕末・明治は、
資料も豊富、まだ描きやすいというのはわかりますよね。


10月から始まった朝のテレビ小説「あさが来た」は、
「花燃ゆ」と同じ時代を描いていますが、おもしろいです。
むしろこちらの方がスケールが大きく見応えあり、
商人たちから見た幕末明治が新鮮です。


漫画でこの時代を描いた傑作といえばこちら。
みなもと太郎の壮大な歴史大河漫画。


「風雲児たち 全20巻」、
「風雲児たち 幕末編」が現在も連載中。
1979年に連載開始ですから36年です。

幕末を描きたかったが、発端をたどると江戸幕府成立がからむことから、
そこが連載開始となった、と作中に作者が語っています。
この漫画、歴史を辿っているので解説が多くなりますが、
そこに登場するのが、みなもと氏。
漫画の随所で現れては、彼なりの解釈を加えて説明してくれます。
歴史大河なのにギャグ漫画になっていることにも、
読み始めたころビックリしましたっけ。

12年ほど前に読み始めて、その濃さにやられました。
二百数十年という時代の間に生きた人々の多くの生き方が次々に現れます。
ウィキペディアの風雲児たち、の解説をみて驚くのは、
やはり登場人物の多さ、時代の長さからみても当然なのですが。


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当たり前ですが、いろんな人がいます。
中でも印象に残っているエピソードをいくつか。

解体新書が出版された経緯、教科書では杉田玄白の名が大きいが前野良沢という人の翻訳オタクぶり。辞書もない時代にどのように翻訳したのか、考えたら不思議なことで頷くことばかり。

主流の話ではないのですが、千葉の土木工事の場面で理不尽な扱いを受ける人々と薩摩との交流があり、それが今も続いているという話。この回でなぜかぼろぼろ泣いてしまった。

ジョン万次郎の話。優秀すぎる人材を使いこなせないのはつらい。本人は日本に戻れてよかったのでしょうか。

同じく、ロシアに渡った大黒屋光太夫のロシアの旅。光太夫をえがいた映画「おろしや国酔夢譚」も見たことがありますが、みなもと氏の印象が強すぎました。

高野長英や吉田松陰をはじめとして、あっさりと死に追いやってしまう時代。

江川太郎左衛門の反射炉はじめ造船や電気でものつくりでは魅力的な人がたくさん。

薩摩・長州は遠いからこそ生き延びられたというか、地理的な条件は重要だったんだなと。

黒船=怖い、でなく黒船=面白い・見に行く。江戸の市井の人の気質。深刻とユーモアがいっしょ。

日本は、そこそこ外交交渉上手だったのでは、と思わせる対ロシア、対アメリカ。

外国人が魅力的に描かれています。絵でのデフォルメがききます。

アメリカ遠征でのマスコットキャラが大人気者、日本では全く知られず、そのギャップ。

安政の大獄、桜田門外の変の井伊直弼が十四男だったとは。


それぞれについてはたくさん本もあるのでしょうが、
みなもと太郎という目を通して紹介される彼らや時代、たわいもないことが
通して読めるというのが楽しみなのです。

話が濃くてあまり読み返すことも今のところできていません。
もうしばらく続きそうですが、大河漫画としての終わりには近づいているようです。

この漫画を読むと、歴史で習ったことが本当に現代に続いていると感じられるのです。

『風雲児たち』という大河ドラマ_c0345411_23540744.jpeg

#707 久しぶりに丸パンにして焼きました。やっぱり焼きたてはおいしい。塩とオリーブオイルで



by hiyoriya1410 | 2015-12-20 23:47 | 身辺雑想 | Comments(0)


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