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シンプルライフと日和やの本棚

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2020年 01月 02日

『ぼおるぺん古事記』と2020年

新年おめでとうございます!



面白い本、たくさんありますね。
この本、ガーン!ときました。

題名のとおり ぼおるぺん=ボールペン だけで描かれた
日本最古の書物(だったかな?) 古事記。

それも【原文】で読ませてくれます。

表紙をめくると、まず飛び込んでくるのが
手書きの文字で書かれた古事記原文の漢字、漢字、漢字。
目次とともに袋とじで装丁されています。

びっしりと並んだ文字が過去へワープするかのような
不思議な感覚に陥りました。

次に目次がわりにつけられたタイトルと
現代語訳の要約が1色で描かれています。

古事記(一)天の巻 赤
その一 なれりなれり
その二 あなにやしあなにやし
その三 うみうみ
その四 よみよみ
その五 そそぎそそぎ
その六 べそべそ
その七 さがみにかみ
その八 ゑらぐゑらぐ
その九 くさぐさ
その十 なづちなづち
その十一 すがすが


古事記(二)地の巻 緑
その十二 うからうから
その十三 しにしに
その十四 ほらすぶ
その十五 こをばこをば
その十六 よりくるよりくる
その十七 つかはしつかはし
その十八 ひやかよやよ
その十九 いかにいかに


古事記(三)海の巻 青
その二十 まにまに
その二十一 ちわきちわき
その二十二 さるさる
その二十三 もゆもゆ
その二十四 さちさち
その二十五 もしもし
その二十六 ことごと


『ぼおるぺん古事記』は三巻、出ています。
漫画で描かれたのは古事記全体の三分の一、上巻(かみつまき)・神代編まで。
中巻・下巻は人代編(ひとよへん)は複雑で悲壮で書けない、と感じたそうですが、
(20代のころ現代語訳を読んだことがありますが、やたらと殺している印象が強かった)
気が変わり続きを描く、とあとがきで宣言しています。(これも楽しみ)

こうの史代さんのような漫画でこそ、
残酷な物語を描いてほしいと思うのです。
手塚治虫氏がエロスを描いたように。



なぜボールペンだけで書いたのだろう、と思いましたが
三巻のあとがきで作者が、原文を読むうちにそうしたくなったとあります。

ボールペンの一定の線で描かれていることによって
感情が乗りにくく客観視された画面に感じます。

こうのさんの描く人物、キャラクターは、
まんが、らしくて空想の世界へ入るのにもってこいです。
(三巻の表紙(帯)がキュート!)

丸く愛らしいキャラと、
目次がわりに要約されたあらすじをなぞり
ページをめくると、原文の古事記の内容が
理解できた気になるから不思議です。


この本を知ったのはEテレの番組「design talk」図書館の回。
ブックディレクターの幅允孝さんです。

その場にあった本を選書する、という
日本になかった職業をつくりました。
本のまわりのお仕事をたくさんされています。




その番組である大学の選書に、
この『ぼぉるぺん古事記』を手に取ってお話されており
これは読んでみたい!と。

こんな風に読んでみたい本は一瞬、目の前に現れますね。

2019-2020年にかけて読んでいます。

今年は読んだもの見たもの感じたものを記録していきたいと思います。


#644 本の出会いは突然に!


また、絵本のブログを別に書いています。


自宅を改装してささやかなカフェをやっています。


よろしかったらのぞいてみてください。


by hiyoriya1410 | 2020-01-02 11:59 | 身辺雑感 | Comments(1)
Commented by KAZUMAKI at 2020-07-04 14:56 x
はじめまして。KAZUMAKIと申します。
とても興味深い内容でした。
ボールペンだけで描かれているというのがとても斬新ですね、、、原文も読めるのはとても興味深いです!
また拝見させていただきます!
よかったら私のチャンネルもご覧になってください!
〈ライフハックサラリーマン〉


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