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カテゴリ:暮らしと科学( 30 )


2017年 01月 02日

手塚治虫のブッダと『真理の探究 仏教と理論物理学の対話』(くらし部門)

新年おめでとうございます。

新しい年があけました。
大晦日は年越しの鮭をいただきました。

以前(25年程前?)雑誌『サライ』の特集で
東日本の年取り魚は「鮭(サケ)」
西日本の年取り魚は「鰤(ブリ)」
と別れていることを知りました。

日本の本州中央、ホォッサマグナを境に
風習が分かれているようです。

魚の保存方法が限られていた時代、
立派な外見を備えていたのが、
鮭と鰤だったようですね。

新潟は特に村上の鮭が有名です。
子どもの頃は年末に新巻き鮭が届いて
それをさばいていました。

糸魚川・静岡構造線は
食べ物や文化・風習、言語など
様々なものの境界でもあります。

食なら、
出しの色、味噌(味)の違い
ウナギの開き方(背と腹)
お餅の形(丸と四角)
肉じゃがの肉(牛肉と豚肉
いなりずしの形(三角と長方形)

珍しいところでは、
エスカレーターの立ち位置が東と西では逆なんだとか。


自然の地形が文化や生活に大きな影響を及ぼしているのは
とても面白いです。

そういえば、三月の節句雛人形の位置も逆になりますね。
どっちもアリ、なんです。

日本は懐が実は広い。



新年初の本はこちら。

副題に「仏教と宇宙物理学の対話」とあります。

理論物理学者の大栗博司先生と
仏教学者の佐々木閑先生が
ご専門の講演と
それぞれの分野について質問する対話を
まとめたものです。

2016年に名古屋・中日文化センターの開設50周年記念講座で
おふたりの対談が企画され書籍化されたものです。


【以下裏表紙の紹介文】

人生に生きる意味はない。

大いなる叡智が告げる、この世界の真実

心の働きを微細に観察し、人間の真理を追究した釈迦の仏教。
自然法則の発見を通して、宇宙の真理を追究した近代科学。

アプローチこそ違うが、この世の真理を求めて両者が到達したのは、

「人生の目的はあらかじめ与えられているものでなく、 そもそも生きることに意味はない」

という結論だった。

そのような世界で、人はどうしたら絶望せずに生きられるのか。
なぜ物事を正しく見ることが必要なのか。

当代一流の仏教学者と物理学者が、
古代釈迦の教えから最先端の科学まで縦横無尽に語り尽くす。


仏教と物理学、
共通点がなさそうですが、
佐々木先生は京都大学工学部から転科して仏教学をされています。

P96-97のアビダルマによる「この世」の構成要素(七十五法)は
佐々木先生がおっしゃるように、素粒子の一覧表のようです。

そもそも仏教徒は何か、では

1 超越者の存在を認めず、現象世界を法則性によって説明すること
2 努力の領域を肉体ではなく精神に限定すること
3 修行のシステムとして、出家者による集団生活体制(サンガ)をとり、
一般社会の余りものをもらうことによって生計をたてること

釈迦の教えから遠く離れたて出来上がった、
日本の仏教の不思議。(日本だけではないが)

修行システムとしてのサンガを導入できなかった日本の仏教。

自分の煩悩を修行によって消そうとする、消極的な仏教。
(キリスト教やイスラム教は広めようとしている)

佐々木先生のいう釈迦を聞いていると
手塚治虫の『ブッダ』が重い浮かびました。



王族の出だったからこそ
老病死について思い悩んだことだった、
というのはうなずけます。

食べるのに困る、生きていくのに困る
立場ではありませんから。

手塚治虫は釈迦の仏教を深く理解していたのだと、
この本を読んで、あらためて思いました。

大栗先生の仏教に関する発言は
いつもの著書とは趣が違って興味深く読めました。

仏教には神という絶対者が存在しない
煩悩のいちばん原因は、自分中心の誤った世界観
神秘性ゼロの哲学「アビダルマ」の世界観
時間とは「刹那」の単位で変化する現象の積み重ね
釈迦の仏教は利己的か
俗な心で人助けしてはいけない
般若心経はアビダルマを全否定
アビダルマに見る「物事を科学的に見ようとする姿勢」
生きる辛さは自分の知恵で解消しろ
自然の科学的理解とは神の設計図を正しく見ることが必要
生きる意味を自ら見つけることの喜びと困難

どきっとする見出しが並びます。

年初なので幸福について印象に残った部分を。

自分で目的をつくる人生がいちばん幸福だと思います。(佐々木先生)p186

自分の好きなことをやった結果、それが人類にとって意味のあるものだと気づいた。
こんなに素敵な人生はないと思うんですね。(佐々木先生)p186

生きている、存在していると感じることは、すなわち意識があるということです。
意識が情報処理の主体として脳が想定したモデルだとすると、
その機能は、語幹からの情報を分析して、世界をよりよく理解するということです。
よりよく見てよりよく考えることが、意識の機能を発揮することであり、
それこそが人間にとっての幸福であると思います。(大栗先生)p192


釈迦と物理学が教える「世界の正しい見方」を
指示している本です。


久しぶりに『ブッダ』も読みたくなりました。



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#600 初詣に行きました。天気雨で虹



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by hiyoriya1410 | 2017-01-02 16:42 | 暮らしと科学 | Comments(0)
2016年 09月 29日

髪の湯洗いと『甲骨文字小字典』

3か月のほど前から髪をお湯だけで洗っています。
楽ちんです。
ひたすらシャワーをあてながら地肌をマッサージするように3分ほど。

湯洗いは湯シャンとかノーシャンプーといわれてもいますが、
基本お湯で洗うことは同じです。

もともと、シャンプーしてトリートメントして、
長々とシャワーで流して、というのがメンドウ(あまり使いたくないコトバですが)と、
思っていました。

石けんを作っているので、石けんで随分長く洗っていました。
ワインビネガーを薄めてリンスにしたり。
それも結構流すのに時間がかかります。

湯洗いといってもいろいろやり方があるようです。
入念に髪を梳くとか、
綿の手袋で洗うというのもありました。
これもお好みでいいように思います。

すすめる湯の温度も、
体温くらいの36-37℃、
40℃前後、
高めの43-45℃、
要は自分が良いと思う温度で良さそうです。

基本体温以上で汚れは落ちるようです。
高温だとシャンプー並みの洗浄力があるとか。
季節や髪の質で決めたらよさそうですね。

ワタシは、熱めで湯洗いするのがスッキリして好みです。
ショートヘアにしたので髪を洗うのがまったく苦でありません。

髪を乾かす前に杏オイルを1滴、
ヘアケアはそれだけです。

毛髪が根元から立つ感じがあります。
へたり気味の髪の方にはオススメです。

髪はふわふわな感じになります。
女優のYOUさんも湯洗いらしいですが、
ふわふわですよね。

最近、シャンプーを使わないが、流行りらしいです。
ヘアケアのロレアルが新しい洗髪法を提案しています。
泡なしノーシャンプー
ノーシャンプーはこちら

これなら使ってみてもいいかも。

きょうの本はこちら。

篆刻をしていましたが、甲骨文字が絵のようで好みでした。
湯洗いとは何の脈絡もありませんが。

小田玉映さん記事
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#623 暑い日もありましたが、すっかり秋らしくなってきました


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by hiyoriya1410 | 2016-09-29 23:57 | 暮らしと科学 | Comments(0)
2016年 08月 14日

『タイム・イン・パワー・オブ・テン』と1秒の間の時間

ノーベル賞物理学者の著者が、時の流れをたどる旅に読者を招待。
「1秒」から10倍ずつ順を追って、10の-44乗秒から10の90乗秒までのさまざまな自然現象を見渡す。
美しい写真と最新科学に基づくイラストで魅せる一冊。

以上はamazonの内容紹介から。



10の累乗の世界。
第1部は、10の0乗=1秒 から 10の32乗 まで、10倍づつ大きな時間のスケール、
第2部は、10の-44乗 から 10の0乗=1秒 まで、10倍づつ小さな時間のスケール、
いずれも1秒に向かっていきます。

自然現象とスケールで述べられていますが、各項で繰り返し扱われるのが、
原子核や素粒子の世界の「放射性崩壊と半減期」。
ほかにも、「自転や公転にかかる時間」、
周期的な信号や振動の周期」、
ビッグバン以来の宇宙の歴史」、
光の到達時間で表す距離」。
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半減期の曲線、横軸は時間


粒子によって半減期は大きく異なるが、
個数の減少を表す曲線の形はすべて等しい。
Aが半減期、BはⅠとⅡの部分の面積が等しくなるように定めた平均寿命である。

時間を測ること、について
現代では、時間は非常に安定している。
秒単位で15桁の精度があり、その制度はいまなお向上している最中。
私たちが扱える量の中で精度よく測れる第1位が時間、
2位が長さでm単位12桁、
3位が質量でkgで10の-8。

身近な時間という単位ですが、その長さと短さは、
どのように考えたらよいのかわからなくなる表現がされています。

スーパーコンピューターは1秒間に何万回、何億回という演算を実行するといいます。
実生活でそれは株取引や、様々なシミュレーションで利用されています。

一方で、観測する星や銀河の年齢は何十億年という長さ、そして
ビッグバンによって時間と空間が創生されたのが10のー43乗秒、
こうした時間は、物理数学によって作り出された時間です。
想像することすらできない時間に思われますが、
そこに宇宙創成のドラマを紡ぎだす科学者のロマンにいつも惹かれます。
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プランクスケール10のー43乗秒の模式図
第1章
〈10の0乗=1 1秒〉
セシウム133の原子を標準時間。原子のなかの電子が一定の周波数の電磁波を放射、
1秒は91億9263万1770回振動する時間である。誤差は1億年に1秒以下。
 ~どうやって振動数を測るんでしょう
0.86秒 ヒトの心拍の平均間隔  
0.995秒 亜鉛79の半減期
 ~1秒前後の数字について解説

〈10の2乗=100 100秒=1分40秒〉
100秒 ショパンの『1分間ワルツ』  
95.6秒 亜鉛74の半減期  103秒 ラジウム231の半減期
101.04秒 スピードスケート男子1500mの世界記録
102.00秒 水泳男子200m自由形の世界記録(2014)
 ~リオデジャネイロ・オリンピックたけなわ、2乗の世界はヒトにまだまだ近い

〈10の6乗=100万 100万秒=11.57日=1.65週間〉
11日 太陽暦と太陰暦の1年の差
11.43日 ゲルマニウム71の半減期
〈10の6.41乗=259万2000 259万2000秒=30日=約1か月〉
 ~ヒトと身近な1か月を特別に1章設けています。
「か月」は月の地球に対する公転周期が起源。
25~35日 ヒトの月経周期

〈10の10乗=100億 100億秒=317年〉
329年前 ニュートンが『プリンキピア』を著した
351年 カリホルニウム249の半減期
335年 オランダとシリー諸島との間の三百三十五年戦争

〈10の15乗=1000兆 1000兆秒=3170万年〉 
地質学的な時間スケール ~4000万年後オーストラリアはアジアに衝突する、と言われる

〈10の18乗=100京 100京秒=317億年〉ここからは、大きな時間スケール
300億年 宇宙の寿命の下限

〈永遠の暗闇へ〉
10の32乗、58乗、74乗 90乗 について ~想像すら不可能な時間

第2章
〈10のー44乗秒からー26乗秒まで〉 小さな時間スケール
プランク定数、真のはじまり、インフレーション、などについて

〈10のー25乗=10抒分の1 10抒分の1秒〉
素粒子の標準理論、トップクォークのおよその半減期

〈10のー8乗=1億分の1 1億分の1秒=10ナノ秒〉 ~ナの位は耳慣れている
光が3m進むのに要する時間
25ナノ秒 大型ハドロン衝突加速器(HLC)の陽子の衝突間隔

〈10のー3乗=1000分の1 1000分の1秒=1ミリ秒〉
空気中27℃のとき高いBno音の振動周期
2ミリ秒 神経細胞の機能

〈10のー1乗=10分の1 10分の1秒=0.1秒〉
ヒトの反応時間は0.1秒より短くない
瞬きの時間は50~80ミリ秒
0.12秒 地上から信号電波が静止衛星に届くまでの時間
0.133秒 電波が地球を一周するのにかかる時間

〈10の0乗=1 1秒〉
0.77秒 78回転レコードの1回転の時間
1秒光 光が1秒間に進む距離は2億9979万2458m、月までの距離のおよそ5分の4


考えうる限りもっとも短い時間といっても、実際には私たちの理解をはるかに超えています。
その時間とは、1.62x10の-33乗cmの「プランクの長さ」を光が進むのにかかる時間で、10の-43乗よりも短い時間です。これを「プランク時間」と呼んでいます。
逆に長いほうは、光が全宇宙を横切る時間で、およそ500億年です。

この一文は、あとがきの冒頭に書かれています。
時間スケールは距離のスケールより大きく、あまりにもわからないことが大きすぎる、と。
そして、だからこそ科学者たちがその謎にチャレンジしているのでしょう。

その結果がどのように提示されるのか楽しみにしています。

#631 リオデジャネイロ・オリンピックでも、コンマ100分の1を争う陸上競技がはじまっています


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抹茶シロップと練乳つき、なかに粒あん
フワフワの氷が山盛りでした、長岡の武蔵屋さんは薄皮のたい焼きも売ってます


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by hiyoriya1410 | 2016-08-14 23:01 | 暮らしと科学 | Comments(0)
2016年 07月 27日

『小さな小さなせかい』の不思議

かこさとしさんの科学絵本の仕掛けが楽しい。



ページごとに1/10づつ小さな世界へと向かうこの絵本は、
右の隅に次のページが描いてあります。
長さで1/10、広さで1/100。
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これからいっしょに、小さなせかいへの旅にでかけましょう。
と1mの世界からはじまります
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上のページ(10の-2乗)、下のページ(10の-3乗)
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黒い太い横線はヒトの髪の毛

どんどん小さくなっていく世界、
人の目で認識できるのは10のー3乗、1mmの1/10くらいまで。

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ページの右下に次の1/10の世界
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ナノメートルの世界、10の-8〜-9乗

絵本では、小さな小さな世界が、大きく大きく描かれています。
見えないこれらが私たちを形作っている、ということの不思議。
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右の半円はシャボン玉の厚さ、10の-6乗(ミクロン)

形に、なる・ならない、の境界はどこでしょうか。

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原子の電子モデル、電子の位置と速さを両方一度に測れない
〜量子力学の不確定性原理を解説

見えない世界を、見える世界から見ようと試みて、
方法を考え出したこと、
それを検証してきたこと、
その探究心と好奇心に感動します。
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見返しには、小さな世界をあらわし方。
国際単位、
dデシ cセンチ mミリ μマイクロ nナノ pピコ fフェムト aアトzゼプト yヨプト
数字は1から10の-35乗まで、これがプランクの長さ
漢数詞 (10の-1乗 から -24乗まで)
分ふん 厘りん 毛もう 糸し 忽こつ 微び 繊せん 沙しゃ 塵じん 挨あい 渺びょう 漠ばく 模糊もこ 逡巡しゅんじゅん 須臾しゅゆ 瞬息しゅんそく 弾指だんし 刹那せつな 六徳りくとく 虚きょ 空くう 清せい 浄じょう

単位として名称がある、ということも不思議です。

最後のページは、10の-35乗の世界。
150億年前のあるとき、小さな小さな世界にゆきつきます。
量子宇宙と呼ばれる小さな世界は、意外にも、
もっとも大きいこの宇宙のさいしょの状態につながっていたということです。

続きはかこさんの『大きな大きなせかい』へ。



#640 甘酒いりの酢飯が気に入ってます。揚げちくわと玉子のちらし寿司

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すし酢は、甘酒、塩、米酢
酢飯には生姜、シラス、胡麻
ちくわは米粉をまぶして揚げて、卵焼きは松本忠子さんのだしみつ
海苔をちぎって、出来上がり
ちくわの歯ごたえが癖になる、カンタンちらし寿司




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by hiyoriya1410 | 2016-07-27 23:47 | 暮らしと科学 | Comments(0)
2016年 07月 22日

『ちっちゃな科学』の小自然

科学絵本作家であるかこさとしさん、90歳と、
ベストセラー『生物と無生物のあいだ』の著書、福岡伸一青山学院大学教授が、
それぞれの科学との関わりなどを通じて、
好奇心が大きくなる読書や教育論について書かれています。


気になった箇所をいくつか抜粋。

漠然と見ていても虫は見えてきません。でもちょっと目を凝らせば、あるいは耳を澄ませば、動物や植物、虫たちの活動というのが、見えてきたり、聞こえてきたりします。〜自分で「見えない自然」を見つけていかなくてはいけないもの

かこさとしさんは典型的なマップラバーだと思います。
この世界の成り立ちを鳥瞰的に捉え、それを整理し、端から端まで、
最初から終わりまで、きちんと網羅し尽くしたい、という切実な気持ち

「マップラバー」は地図を作るように世界を認識していく。
一方「マップへイター」は地図などなくても世界を知りえるという考え。

好奇心、知的であるというのは、ある意味で疑えること、猜疑心がそこから育まれていくと思います。

対談やそれぞれに科学的センスの育て方の質問が20、
好奇心を育むブックガイドなど、
子どもたちへのあたたかいメッセージに溢れています。

福岡先生の記事はコチラ
かこさとしさんの記事はコチラ

#841 子どもたちは夏休みに突入。小自然も大自然も大いに見つけてほしいものです

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by hiyoriya1410 | 2016-07-22 22:22 | 暮らしと科学 | Comments(0)
2016年 04月 21日

『細胞の不思議』のすべてはここからはじまる



表紙がやさしい色彩のイラストで絵本のよう。
中をめくるとカラフルな目次があり、
随所にカラーイラストが、時には見開きで。
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ずっと読もうと思って、なかなか手が出なかった本。
読み始めたら、あらスイスイ読み進めるのです。
科学読み物というより、謎解きのようです。
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細胞とはなんぞや、という謎解き。
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絵に添えられている言葉は、さながら舞台劇の台詞のよう。

ヒトの身体は小さな宇宙 細胞は宇宙に瞬く星のよう
細胞はどんなものにも変幻自在
核を持っているか持っていないか、それが問題だ!
細胞はみんな平和主義?
生命が織りなすウルトラC
生物はDNAを運ぶ単なる乗り物
細胞はまるでマンションの小部屋
細胞は細胞から生まれる
いったい生命はどこから来たのか?
膜は細胞の内と外を見張る用心棒
行き先はどちらですか?
ぼくらのスーパーヒーローは細胞ジャー
細胞は善人になったり悪人になったり一人二役
タンパク質の性質は表面の凸凹具合で決まる
細胞の中で働き者の小人が大活躍
宛先と差出人を忘れずに
一人はみんなのために、みんなは一人のために
細胞がすべて入れ替わっても私は私
細胞も人も厳密な時間の流れに従っている
生命はたった1個の受精卵からはじまる

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出版社の紹介を見ると、絵本のようように仕立てた、
とありました。
あとがきでも著者が高校生に読んで欲しい、
文系の大人にも、とありました。

ヒトの細胞は、およそ60兆といわれますが、
その数が体積、あるいは体重から割り出したザックリした数字である、
ということに、一番驚きました。(あとがきより、明確な論文はlないそうです)
それが判明したのは2013年のこと。

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#678 ヒトに身体の仕組みの不思議、見てみたいけどムリですね



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by hiyoriya1410 | 2016-04-21 22:32 | 暮らしと科学 | Comments(0)
2015年 11月 09日

『戦う物理学者』のライバル関係

この本は2009年7月28日に読みました。
物理学に興味を持ち始めた頃です。

同時代に生きた物理学者たちのライバル関係、
あるいは物理学者が戦わなければならなかった時代の風潮だったり、
比べることで双方がよりわかりやすくなります。

ミツミマリさんのイラストがたのしい。


そのメニューは、
ファインマンvs.ゲルマン 物理学者に必要なのは、実力か人気か
ガリレオvs.ローマ法王 350年にわたった無数の馬鹿者たちとの闘い
アインシュタインvs.ボーア 永遠にわかりあえない2人
ノーベル賞vs.フランクリンメダル ビジネスモデルとしての物理学賞
ボームvs.アメリカ「帝国」 異端の烙印を押された科学者
ランダウvs.スターリン 超秀才物理学者の独走曲
マリー・キュリーvs.差別 数多の逆境と戦い抜いた生涯
湯川秀樹vs.朝永振一郎 天才同士の苦悩と葛藤
ホーキングvs.ペンローズ 違う世界に棲んでいる師弟
 
13人の名だたる物理学者の意外な側面をみることができます。
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ファインマンとゲルマンの章をご紹介。
ふたりともアメリカの物理学者でノーベル物理学賞を受賞しています。
マンがつくのでどちらもユダヤ系、歳はゲルマンが11歳年下、
同時期にカリフォルニア工科大学で教鞭をとっています。
でもとっても仲が悪かったのだとか。

ファインマンさんの本は現在でも書店でよく見かけます。
名教科書として名高い「ファインマン物理学」や
軽妙洒脱なエッセイ「ご冗談でしょう、ファインマンさん」でおなじみですが、
ゲルマンさんの本はほとんど見たことがありません。

ですが、ゲルマンさんは名コピーライターなのです。
素粒子「クォーク」の名付け親ですからね。
ジェイムズ・ジョイスの小説『フィネガンズ・ウェイク』で鳥がクォークと3回鳴く場面から引用したとか。
博識で文学に造詣が深いゲルマン、文章もとても上手だったらしい。(なのに、本はおそらく売れない)

一方のファインマンさん、本は書くのではなく”喋った”のです。
それをほかの人がうまくまとめ上げたもの。(それが売れに売れるとは)
陽気でゴンゴをたたく、いたずら好き、人懐っこい性格。

でもゲルマンさん、ファインマンさんにあこがれてシカゴ大学からカルテックに移籍。
あってみたら自分とあまりにかけ離れているファインマンさんにさぞ戸惑ったことでしょう。

とにかく愛されキャラ、ファインマンさんは人気者なのです。
そして、それは彼がとにかく魅力人物であるということなのでしょう。

著者の竹内薫氏も章のラストで、ゲルマンがかわいそうになった、
なんて書いています、確かに…。
そういいながら、ゲルマンさん、がんばれ!と〆ています。はい。
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ほかの章も、アインシュタインとボーアの章では、実在論と実証論について語られます。
アインシュタインは実在派、あくまで世界は実在する物質からできていて、その挙動を記述するするのが方程式、という考え。
一方、ボーアら実証派は、実在する物質にこだわらない、理論と実験の数値が一致する形式を重視する。
量子論では、ボーアらコペンハーゲン派の解釈が定説となっています。
これっておもしろいなぁ、と物理にはまってゆきました。
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さらに、ガリレオは早く生まれすぎたんだろうな、とか
ノーベル賞は、一番初めに思いついた人、長生きがもらえる秘訣でもある、とか
キュリー一族は4つのノーベル賞をとっていた、とか
日本の湯川先生は職人気質、朝永先生は非凡な文才~光子の裁判」~(これおもしろいです)あり、とか
ホーキングさんは実証論でペンローズさんは実在論、でも師弟なんですね。
(ホーキングさんの映画でペンローズさんを訪ねるシーン、ありました)
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物理学者って不思議でおもしろい、ってあらためて思いました。
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#722  全体がどんよりとグレーになる雪の季節の一歩前のはじまり





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by hiyoriya1410 | 2015-11-09 23:57 | 暮らしと科学 | Comments(0)
2015年 10月 08日

四つの力と「強い力と弱い力」

例年10月のこの時期は、ノーベル賞ウィークでニュースが賑わいます。
昨年の物理学賞に続き、
医学生理学賞に大村智さん、
物理学賞に梶田隆章さんがそれぞれ受賞しました。
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「ニュートリノに質量があることを示すニュートリノ振動の発見」が受賞理由です。
岐阜県の神岡鉱山の地下1000mにある実験施設スーパーカミオカンデの壮大さには、
唖然とさせられます。

極微小の世界の理論を検証するためには、巨大な装置が必要で、
実証するための方法や装置を考え出すことに驚くばかりです。


素粒子間の力についてはこちら、大栗博司先生の一般向けの新書第二弾です。
(第一弾は重力とは何か)


そもそも自然界には「四つの力」が働いている、
それが「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」という。

よく見かける文字ばかりが並ぶ単語が物理用語で
身近なことだと示しているようです。

読んで「!!」と思ったところをほんのいくつか抜粋。
・「重力」は素粒子の世界に影響を与えない
・金属製のクリップに上から磁石を近づけると持ちあがる、これは小さな磁石の力の方が、地球1個分の「重力」よりはるかに強いということ
・原子をくっつけて分子を造ったり、分子を集一つの塊とし、私たちが日常で触れるさまざまな物質をつくるのも「電磁気力」
「電磁気力」には、「重力」にない反発力がある
・クォークとは陽子や中性子を構成する基本粒子で、中途半端な分数の電荷を持っている
・クォークを陽子や中性子の中に閉じ込める力が「強い力」のエネルギー、それが物質の質量の99%をしめる
・クォーク同士をを結びつける「強い力」には、距離が長くなるほど強くなる性質がある
・電磁気力より強いのが「強い力」、弱いのが「弱い力」
・「力」とは、物体の運動を変化させるもの
・太陽がじわじわ燃えていられるのも「弱い力」のおかげ。太陽の中では、弱い力によって、二つの陽子が重水素の原子核に変わる

・19世紀電磁誘導を発見したマイケル・ファラデーは、当時財務大臣に「電気にはどのような実用的価値があるのか」と問われ、「なんの役に立つかはわからないが、あなたが、将来それに税金をかけるようになることは間違いない」
・戦争ではなく平和目的による技術革新を
・科学がもたらす喜びは文学、音楽、美術と等価

大栗先生の本は、読むたびに発見を得られます。

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#749 家もすっかり冬支度、ストーブがでていました


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by hiyoriya1410 | 2015-10-08 23:57 | 暮らしと科学 | Comments(0)
2015年 09月 29日

選ぶことで長生きと『選択の科学』

朝のラジオを聞いていたら、
「人とのつながりが寿命をのばす」というテーマ。
話していたのは、予防医学研究者で医学博士の石川善樹さん。

アナウンサーと形式で、
9月7日から10日の4回、毎朝8分ほど話されていました。
コチラのポストキャットで話を聞くことができます。

各回のタイトルは、
人とのつながりと寿命に関係あり
”所属先”の数が寿命を決める
世話役をすると寿命が延びる?
”幸福度”と寿命

特に耳に残ったことが、世話役~の回で、
なにかの団体に所属した場合、
世話役として上に立っているほうが寿命が延びる、というもの。
調査した方も驚いたのだとか。
~長と名のつくものになると大変で、寿命が減りそうですが実は逆のようです。
言われたことで動くよりも、自分から率先して意志決定権があるほうが、
実は精神衛生上いいということでしょうか。

自分で決められること、が快感なのは納得できますよね。
(もちろん選ぶのが苦手な人もいるのでしょうが)
日々の小さな買い物ひとつとってもそうです。
自分で選べない、となるとかなりのストレスを感じそうです。

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先日上京した時の東京駅



このラジオを聞いていて思い出した本がこちら。
著者は、コロンビア大学ビジネススクールの盲目の女性教授シーナ・アイエンガーさん。


まさに、「選択」を科学的に論じたもの。
彼女が切り開いた分野です。

その実験がなかな面白いのです。
よく知られた例が「ジャムの研究」。
スーパーのジャム試食をしたとき、24種類のジャムと6種類では、
6種類のほうが購入率があがるというもの。
スーパーの品ぞろえを豊富にすると、売り上げは逆に下がる、という意外な事実。
「選択」という誰もが行う行為をあらゆる角度から検証しているわけです。
なるほど、と納得の記述もそこここにあります。

例えば、
社長が平社員よりもなぜ長生きなのか、その秘密は自己裁量権にある。
これは、ラジオの話と一緒ですね。

ほかにも、

なぜ選択には大きな力があるのか、
選択を行う方法は人によってどう違うのか、
出身や生い立ちは選択を行う方法に影響を与えるのか、
選択というツールを効果的に使うには、
選択肢が無限にある様に思われる時どうすればよいのか、
他人に選択を委ねた方がよい場合はあるのか、

ほかにも実証的な研究でわかった「選択」に関する意外な事実として、
動物園の動物の寿命が、野生動物よりはるかに短いのは、「選択」することができないからだ。
わが子の延命措置をするか否かの究極的選択。判断を親がするより、医者にゆだねた方が、後悔は少ない。
何もかもが決められている原理主義的な宗教に属する人ほど鬱病の割合は少ない。
人は他人と同じに見られたくないため、あえて、不利益な選択をしてしまう。

20年以上の実験と研究で選択の力を証明しています。

シーナ・アイエンガー教授の経歴こちら。(BOOK著者情報より)
1969年、カナダのトロントで生まれる。両親は、インドのデリーからの移民で、シーク教徒。1972年にアメリカに移住。3歳の時、眼の疾患を診断され、高校にあがるころには全盲になる。家庭では、シーク教徒の厳格なコミュニティが反映され、両親が、着るものから結婚相手まで、すべて宗教や慣習できめてきたのをみてきた。そうした中、アメリカの公立学校で「選択」こそアメリカの力であることを繰り返し教えられることになり、大学に進学してのち、研究テーマにすることを思い立つ。スタンフォード大学で社会心理学の博士号を取得。現在、ニューヨークのコロンビア大学ビジネススクール教授 。

Eテレでコロンビア白熱教室として2011年に放送がありました。

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#758 爽やかな秋の空をながめています















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by hiyoriya1410 | 2015-09-29 23:57 | 暮らしと科学 | Comments(0)
2015年 09月 02日

理系と文系と歴史と「137億年の物語」

宇宙が始まってから今日までの全歴史ーーが副題。


帯には、
「理系と文系が出会った初めての歴史書」小学校高学年から大人まで
生命はどこから来たか? 人間はいつ猿から人間になったのか?
誰が文字を発明したのか? 文明はなぜ滅び、そして生まれるのか?
とあります。

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なかなか壮大な問い、そしてテーマです。

作者は、クリストファー・ロイドさん、本書の作者紹介より概略。
1968年英国生まれ。ケンブリッジ大学で中世史を学んだ後、サンデータイムス紙の記者として科学と工学を担当、文系理系の双方の目が養われた。
2000年に教育専門出版社に転職。
2005年から、5歳と7歳の子どもを学校ではなく、家で妻とともに11歳になるまで教育する。
子どもたちに自然科学と歴史を双方向から教える必要にかられ、1冊の本でできれば、と考えたのがきっかけ。
2010年に原書の題名 what on Earth Publishing Ltd. を起業した。

日本での発行は2012年。総ページ数506。

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一瞥してみての印象は、
42のテーマ別に小口が色分けされていてカラフル、でも色合いはシック
小口には137億年を1日にした時間が記されている
図表も同じく色がきれいでわかりやすい
イラストが大きく迫力がある、配置がうまい
全体が4部に分類され、最初に「第1部はこんな話」と1ページで全体を見せている

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参考資料や索引も巻末にあります。
特徴として、西洋中心でない~多元的な視点、地球規模で人類の文明を相対化、科学と歴史の接点を考える
などをあげています。
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各部には、10から13のテーマに分けられている。
テーマの一部はこちら。

第一部 母なる自然 (137億年前~700万年前)
「宇宙の誕生」「生命はどこからきたか」「大陸は移動する」
「恐竜の絶滅」「花が初めて咲いた日」「昆虫の文明」「哺乳類、陸へ」など

第二部 ホモ・サピエンス(700万年前~紀元前5000年)
「氷河期の到来」「二足歩行と脳」「心の誕生」「人類の大躍進」
「狩猟採集民の登場」「大型哺乳類の絶滅」「農耕牧畜の開始」など

第三部 文明の夜明け(紀元前5000年~西暦570年ころ)
「文字の発明」「エジプト文明、インダス文明、巨石文化」
「金属・馬・車輪」「ローマ帝国の技術」「発見前の南北アメリカ」など

第四部 グローバル化(西暦 570年ごろ~現在)
「紙、印刷術、火薬」「中世ヨーロッパの停滞、イスラムの科学的発展」、
「中南米を簒奪する」「欧州を変えた新大陸の農作物」「植民地獲得戦争」
「資本主義の勃興」、「共産主義の挑戦と敗退」「3.11が変えたエネルギーの未来」 など

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最初通して読んでもいいし、興味のあるところを読んでもよし。
百科事典や辞書などウィキペディアなどもそうですが、
自分が最も得意とすることについて、まず読んでみると
理解しやすくなるように思います。

そもそも理系、文系とよく分けていわれますが、
ワタシの知る理系のできる人は、文系もできる人です。
たとえばファインマンさん、大栗博司先生、南部陽一郎先生など。
文章を書くのはもちろんとても上手で、
ひらめき、感性が豊かでないと新しい発見はないように思われます。
文系のできる人は、論理的な思考ができる人だと思っています。
このブログに登場した中では、落語家の桂米朝師匠や枝雀師匠、哲学者の梅原猛さんとか。

そして歴史書でいつも不思議に思うのが、現在、の取り扱い。
本書は2011年の巨大地震、原発事故のことを書いています。
歴史の時代という線引きをするのはいったい誰なのでしょうか。


さて、巻末には「歴史のトップ10」として、

地球の歴史を決定づけた自然界の出来事トップ10 (2位パンゲアの誕生)
人類の歴史を変えた人物トップ10 (10位アドルフ・ヒトラー)
人類の歴史を変えた作物トップ10 (1位はイネ)
地球の生命を決定づけた生物トップ10(8位シロアリ)
地球の生命を決定づけた絶滅種トップ10 (9位アウストラロピテクス)
地球の生命を脅かす脅威トップ10 (7位不平等)
「137億年の物語」を解き明かしたトップ10 (3位イリジウムの層)
「137億年の物語」の未解決事件トップ10
 (6位ヒトはいつから話しはじめたのか)

が掲載されています。

あなたならどんなトップ10を選ぶでしょうか。

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#773 晩ごはんはツナとじゃがいもの豆乳クリームパスタ、ごはんにかけてもいいかも
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by hiyoriya1410 | 2015-09-02 23:32 | 暮らしと科学 | Comments(0)